冬から春にかけて旬を迎えるごぼう。
ごぼうと言えば食物繊維が豊富で便秘がちな人におすすめの野菜ですが、ポリフェノールなどの栄養成分も多く含まれています。
そんなごぼうを調理する際に多くの人がやっている「アク抜き」。実は必要ないって知ってましたか?
「ごぼうのアクは体に悪い」は間違い!
ごぼうの「アク抜き」をすると、水が茶色くなります。これがアクで体に悪いと言われてきましたが、それは大きな間違いです。
茶色の正体は優れた抗酸化作用を持つポリフェノールの色なんです!
だから、「アク抜き」をするなんてもったいない話ですよね。
ごぼうの栄養成分
ごぼう(M) 1本:180gあたりの代表的な栄養成分
食物繊維 | 10.26g | カリウム | 576mg |
ビタミンE | 1.08mg | マグネシウム | 97.2mg |
ビタミンB6 | 0.18mg | 亜鉛 | 1.44mg |
葉酸 | 122.4μg | 銅 | 0.38mg |
※食品成分含有量を四捨五入し含有量が0になった場合、含まれていないものとし表示していません。
※流通・保存・調理過程におけるビタミン・ミネラル・水分量の増減については考慮していません。
カロリーは、一本あたり117kcal
きんぴらごぼう1人前あたりに使用する牛蒡20g(13kcal)
食物繊維
食物繊維には水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性がありますが、ごぼう180gあたりの食物繊維10.26gのうち水溶性食物繊維は4.14g、不溶性食物繊維は6.12gになります。
日本人の食物繊維摂取量は不足しがちで、ごぼう100g(約2/3本)で1日に必要な量の約1/3程度が摂れる計算ですが、不溶性食物繊維をたくさん摂ると腹痛や下痢などを起こすことがあるので、注意が必要です。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンの一つで、不足すると貧血を招く恐れがあります。
カリウム
カリウムは細胞の機能を保つために必要な栄養素で、ナトリウム(塩分)を体外に排出する役割を持っています。高血圧予防につながる成分です。
マグネシウム
マグネシウムは骨の形成、血圧や筋肉の収縮などに欠かせない、体の機能を働かせるために使われる酵素のもととなる成分です。
ごぼうに含まれる抗酸化ポリフェノール
ごぼうには、クロロゲン酸をはじめとした抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれています。
抗酸化ポリフェノールは、体の錆である活性酸素の除去に役立ち、動脈硬化やガン予防効果が期待されています。
さらに最近の研究では「クロロゲン酸の継続摂取により、脂肪燃焼効率があがる」という報告まであるのです。

何度も言いますが、あく抜きの水の茶色の正体は優れた抗酸化作用を持つポリフェノールの色です。逃さず摂りたいですよね!
栄養を逃さない調理のポイント
じつは栄養豊富な根菜ごぼうの栄養を逃さない調理のポイントをご紹介します。
それは3つの○○をしないです!
皮むきをしない
ごぼうの皮には抗酸化ポリフェノールが芯(中心部)の2倍も含まれているんです。
また、ごぼう独特の香りや風味も皮の部分にあります。
できれば泥付きのごぼうを購入し、泥を水で洗い落とすくらいにしましょう。どうしても気になる場合は、丸めたアルミホイルでこすると最小限に皮をむくことが出来ますよ。
アク抜きをしない
アク抜きのために水に浸けておくと、抗酸化ポリフェノールをはじめ、カルシウムやカリウム、アミノ酸など水溶性の栄養素が水に溶け出してしまいます。
料理の色を白く仕上げようと、ごぼうを3%の酢水に10分浸けておくと、ポリフェノール・カルシウムは約33%、カリウムは約24%、アミノ酸は約30%も減ってしまったそうです。

香りも風味も栄養も減ってもったいないニャ!

以前、TV番組でごぼう・ワラビ・タケノコの3種類をアク抜きしたものとしなかったもので食べ比べをした結果、ワラビとタケノコはアク抜きをしないとまずく感じられましたが、ごぼうはアク抜きをしてもしなくても味に差はなかったそうです。
下茹ではしない
豚汁・けんちん汁などの汁物や炊き込みご飯は、水溶性の栄養素が溶け出した水も全部食べることができるので問題ありませんが、どうしても下茹でしないといけない場合はレンチンしましょう。電子レンジで調理すれば水溶性の栄養素も守られます。

一口大に切ったごぼうは水にさらさずに耐熱皿に広げ、ふんわりラップをしてレンチン。ごぼう150g(3/4本)の場合は5~6分加熱します。

皮ごと・アク抜き無し・レンチンすればポリフェノールの抗酸化力は3倍ニャ!
まとめ
ごぼうには食物繊維以外にも葉酸、カリウム、マグネシウム、抗酸化ポリフェノールなどの栄養素がたくさん含まれています。そして、その多くが皮と外側部分に含まれているのです。
抗酸化ポリフェノールをはじめ、カルシウムやカリウム、アミノ酸などの栄養素は水溶性のため、アク抜きで水に浸けると栄養素の多くが水に溶け出してしまいます。
ごぼうの栄養と旨味を守る調理のポイントは
1.皮むきをしない
2.アク抜きをしない
3.下茹でをしない
手間が省けて時短にもなり、栄養成分が守られて、ポリフェノールの抗酸化力も旨味もアップする!
こんなにもいいこと尽くしなんだもの、やらないともったいないですよ。
sa-aがお届けしました。
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